ザホドニョ・ポモルスキエ県

ザホドニョ・ポモルスキエ県は、海沿いのリゾート地や有名な温泉地が多い地域で、ウォリニスキ国立公園(Woliński Park Narodowy)とドラヴェニスキ国立公園(Drawieński Park Narodowy)という二つの国立公園をはじめとする豊かな自然が魅力です。

この県は、バルト海(Morze Bałtyckie)に面した特別な立地、自然の豊かさ、歴史的建造物、そして発展した観光インフラにより、ポーランドでも特に人気のある地域の一つです。面積は約22 900平方キロメートル、人口は170万人以上で、県都シュチェチン(Szczecin)は文化と経済の中心地であり、隣国ドイツに隣接するポーランド北西部の玄関口の役割を果たしています。海辺の美しさと歴史、幅広い観光資源が融合したこの地域は、海辺でのんびりしたい人にも、アクティブに自然や文化を楽しみたい人にも理想的な場所です。

この地域は、コウォブジェグ(Kołobrzeg)、ミェンジズドロイェ(Międzyzdroje)、シフィノウイシチェ(Świnoujście)、ジヴィヌフ(Dziwnów)といった有名な海辺のリゾートや温泉で知られ、長い砂浜と新鮮な海風を求める観光客に人気があります。さらに、崖と豊かな動物相で有名なウォリニスキ国立公園(Woliński Park Narodowy)や、広大な森と美しい川を擁するドラヴェニスキ国立公園(Drawieński Park Narodowy)があり、カヤックやハイキング、サイクリング、バードウォッチングなどの自然体験が楽しめます。また、自然保護区や景観保護地域も数多くあり、持続可能な観光の観点からも注目されています。

文化や歴史も大きな魅力です。シュチェチン(Szczecin)には印象的なフィルハーモニー、歴史的な建物、海港があり、スターガルト(Stargard)にはゴシック様式の教会や保存状態の良い城壁があります。さらに、ヴォリン(Wolin)にある「スラブ人とヴァイキングのセンター」(Centrum Słowian i Wikingów)では、中世初期の歴史や文化を体験できる祭りが開催され、またポモージェ防衛線の戦争遺跡など、第二次世界大戦の歴史に触れられる場所もあります。国内でも珍しい自然現象である「曲がった森」(Krzywy Las)や、ポーランド最大のイチイの群生地などもあり、テーマ性のある観光に最適です。

観光インフラも充実しています。ザホドニョ・ポモルスキエ県には近代的な港が整備され、水上観光やヨット観光が盛んで、シュチェチンからドイツやスウェーデンの都市とつながっています。質の高いゴルフ場や多くのサイクリングルート、川や湖でのアクティビティも人気です。また、祭りや歴史的再現イベント、食文化を楽しむ催しやスポーツ大会など、年間を通じて多彩なイベントが開催されています。

さらに、この地域はポーランドでも注目されるワイン産地となりつつあります。ブドウ畑は、美しい景観や地元料理と組み合わせた「エノツーリズム」(enoturystyka)の人気スポットになっており、訪れる人はワイン文化に触れたり、ワークショップに参加したり、アグリツーリズムを楽しむことができます。こうしてザホドニョ・ポモルスキエ県は、海辺や自然の観光資源に加え、ワイン文化を活かした独自の魅力を持つ地域として高く評価されています。

シュチェチン (Szczecin)

この地域の首都

シュチェチンはザホドニョ・ポモルスキエ県の県都で、豊かな歴史と個性的な雰囲気を持つ特別な街です。「北の緑のパリ」とも呼ばれています。街の特徴的な都市計画は三つの星形広場を中心にしており、その配置はパリの広場の設計から着想を得ています。この独特の景観は、芸術や歴史を愛する人々を魅了します。シュチェチンは海に直接面してはいませんが、バルト海まで185キロメートルという近さと、美しいオドラ川(Odra)の辺りにある立地によって、ザホドニョ・ポモルスキエ県の自然や文化を楽しむための玄関口となっています。

シュチェチンの景色を楽しむなら、オドラ川(Odra)やダンビエ湖(Jezioro Dąbie)が見える「フロブリの城壁遊歩道」(Wały Chrobrego)が一番おすすめです。ここは歴史と自然が出会う場所であり、観光客は川のクルーズから観光を始めるのもおすすめです。水辺で休むのが好きな人々には、グウェンボキエ湖(Jezioro Głębokie)、ジェヴォクリチ湖(Jezioro Dziewoklicz)、ミェドヴィエ湖(Jezioro Miedwie)など、市内で自然の中リラックスできるスポットが人気です。

シュチェチンは「シュチェチンのヴェネツィア」とも呼ばれる場所で有名です。レンガ造りの建物や19世紀の工業施設の間を川が流れ、まるでイタリアの水の街のような雰囲気があります。かつて港湾地区だったラシュトヴニア島(Wyspa Łasztownia)は再開発され、今では遊歩道、カフェ、歴史的なクレーンが並ぶ人気スポットになっています。

自然を愛する人々には、「ブクの森」自然公園(Park Krajobrazowy Puszcza Bukowa)にある「エメラルド湖」(Jezioro Szmaragdowe)がおすすめです。ここは静かで、珍しい動物が暮らす自然保護区です。かつてのチョーク採掘場の跡を知ることができ、周辺のトンネルや防空壕には冬眠するコウモリの姿も見られます。

シュチェチンの歴史は、多くの観光ルートや建造物を通して知ることができます。「市内観光ルート」では、氷山のようなデザインで知られるミェチスワフ・カルウォヴィチ・フィルハーモニー(Filharmonia im. Mieczysława Karłowicza)から、旧ポメラニア公の権力の中心だったポメラニア公爵城(Zamek Książąt Pomorskich)、そして1980年に最初の「8月合意」(Porozumienie Sierpniowe)が結ばれた連帯の歴史的象徴である連帯広場(Plac Solidarności)まで、重要な場所を巡ることができます。また、戦後の歴史を紹介する「突破口対話センター博物館」(Muzeum Dialogu Przełomy)、聖ヤコブ大聖堂(Bazylika św. Jakuba)、王の門(Brama Królewska)や港門(Brama Portowa)といった建築も、シュチェチンの波乱に満ちた多文化的過去を伝えています。

さらにシュチェチンは「緑の街」としても知られており、500ヘクタール以上の緑地を誇ります。代表的なのは、最大の都市公園であるカスプロヴィチ公園(Park Kasprowicza)と、約1万株・100品種近いバラが植えられている「ルージャンカ」(Różanka)です。どちらも観光の途中でゆっくり休める場所です。

シュチェチンは、その立地、歴史、緑あふれる環境、そして活気ある文化によって、西ポモージェ観光の魅力的な目的地となっています。伝統と現代が調和したこの街は、毎年多くの観光客を惹きつけています。

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