ヴァルミア・マズリ県

ヴァルミア・マズリ県は、マズリ湖水地方のおかげで観光客にとても人気のある地域です。保養地や温泉地が多く、美しい森や湖に囲まれた小さな町もたくさんあります。

ポーランド北東部に位置するこの地域は、国の中でも特に綺麗で個性的なエリアのひとつです。面積は約24,173平方キロメートル、人口はおよそ140万人です。県都オルシュティンは、文化、学術、観光の中心として重要な役割を果たしています。

この地域が最も有名なのは「千の湖の国」とも呼ばれるマズリ湖水地方です。湖と森が織りなす景観は、ポーランドやヨーロッパの中でも特別な存在です。マズリは世界中からセーリングやカヤック、自然を楽しむ旅行者を引きつけており、観光施設や水上ルートも整っています。シュニアルドゥィ湖(Jezioro Śniardwy)とマムリ湖(Jezioro Mamry)は、この地域最大の湖で、セーリングや自然の中でのリラックスに最適です。

また、ヴァルミア・マズリ県は城と要塞の地としても知られています。代表的な遺産のひとつがリズバルク・ヴァルミンスキ城 (Zamek w Lidzbarku Warmińskim)で、14世紀に建てられたゴシック様式の要塞です。ここはヴァルミア司教の居城であり、天文学者ミコワイ・コペルニクス(Mikołaj Kopernik)が地動説の構想を練った場所でもあります。城内の回廊には14世紀の壁画が残っており、世界的にも貴重な文化財です。

もうひとつ特別な場所が、ケントシン(Kętrzyn)近郊のギェルウォジ(Gierłoża)にある「狼の巣」です。これは第二次世界大戦中にヒトラーが使っていた秘密の司令部跡で、戦争末期に多くが爆破されましたが、現在も当時の防御施設や地下壕を見学できます。

さらに、この地域には保養地やスパ施設も充実しています。特にゴウダプ(Gołdap)は澄んだ空気と塩分を含んだ蒸気を吸入できる施設で有名です。

文化イベントやフェスティバルも一年を通して多く開催され、地域を盛り上げています。

自然を楽しみたい人には、数々の自然公園や保護区があります。中でもポーランド低地最大の森「プシュチャ・ピスカ」(Puszcza Piska)には、多くの野生動物やハイキング・サイクリングコースがあります。また、クルティニア川(Krutynia)のカヤック下りも人気です。

ヴァルミア・マズリ県は、静かで落ち着いた時間を求める人にとっても、文化・歴史・スポーツを楽しみたい人にとっても魅力的な場所です。豊かな自然と歴史遺産、そして整った観光インフラが融合し、多彩で特別な体験を提供してくれます。

まとめると、ヴァルミア・マズリ県は自然の魅力と文化遺産を見事に両立させた地域です。アクティブな休日、歴史探訪、自然の美しさを堪能する旅など、さまざまな楽しみ方ができます。夏のバカンスや週末旅行、長期滞在にもぴったりで、誰もが自分に合った過ごし方を見つけられるでしょう。

オルシュティン(Olsztyn)

この地域の首都

ヴァルミア・マズリ県の県都オルシュティンは、自然と歴史がひとつに溶け合い、ポーランド観光の地図の中でも特に魅力的な場所のひとつです。美しい森と11もの湖に囲まれたこの街では、自然の中でのリラックスと豊かな文化遺産の両方を楽しむことができます。街並みは自然環境と調和しており、現代的なインフラのおかげで快適に観光できます。

観光の始まりには、中世の街並みを残す旧市街がおすすめです。特に市の象徴ともいえる「高い門」(Wysoka Brama)は、昔の城壁の中で唯一残っている門で、訪れる人が必ず立ち寄る場所です。旧市街の中心にはゴシック様式の市庁舎が建ち、歴史的な雰囲気のカラフルな町家に囲まれています。

オルシュティンで最も重要な建物のひとつが「聖ヤコブ使徒コンクカテドラル聖堂」(Bazylika Konkatedralna św. Jakuba Apostoła)です。ここは信仰の場であると同時に、ヴァルミアの歴史を伝える場所でもあります。聖堂には聖ヴォイチェフの聖遺物やヴァルミア司教の椅子があり、隣には貴重な宗教美術やポーランド文学の手稿を所蔵する「ヴァルミア大司教区博物館」(Muzeum Archidiecezji Warmińskiej)があります。

街の歴史的中心はゴチックの「ヴァルミア聖堂参事会城」(Zamek Kapituły Warmińskiej)で、天文学者コペルニクスが暮らし研究していた場所です。ここで彼は天体観測を行い、近代天文学の基礎を築きました。現在も彼が使っていた天文板が残っており、大切な文化財となっています。お城の周りには美しいポジャムチェ公園(Park Podzamcze)が広がり、文化イベントや教育活動の場としても利用され、街を一望できる景観スポットにもなっています。

オルシュティンはまた、現代的で環境に優しい街でもあります。自転車道やエコバス、最新式の路面電車が整備され、移動も便利で環境にやさしいです。

観光の魅力をさらに高めるのが天文台と「近代化博物館」です。天文台にはアポロ11号の月面探査で採取された岩石の一部が展示されており、「近代化博物館」(Centrum Techniki i Rozwoju Regionu „Muzeum Nowoczesności”) ではオルシュティンの産業の歴史に触れることができます。

オルシュティンは、歴史や文化に関心のある人、水上スポーツを楽しみたい人、自然の中で静かな時間を過ごしたい人にとって理想的な場所です。ポーランドらしい多彩な魅力を一度に体験できる街といえるでしょう。

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