ポモジェ県は、バルト海沿いの温泉地やリゾートだけでなく、ユネスコ世界遺産に登録されているマルボルクのドイツ騎士団城(Zamek Krzyżacki w Malborku)をはじめとする多くの歴史的建造物でも知られています。さらに、スウォヴィンスキ国立公園(Słowiński Park Narodowy)やトゥホルスキ国立公園(Tucholski Park Krajobrazowy)といった自然の魅力や、美しい県都グダンスク(Gdańsk)が旅行者を待ち受けています。

ポーランドの北端に位置するポモジェ県は、国の中でも特に魅力的で観光価値の高い地域のひとつです。歴史、自然、そしてバルト海(Morze Bałtyckie)でのアクティブな休暇を求める人々に多彩な体験を提供してくれます。この地域は文化の豊かさ、数多くの歴史遺産、そして独特の景観を兼ね備え、訪れる人に特別な魅力を与えます。
県都グダンスクは、隣接するグディニャ(Gdynia)やソポト(Sopot)と共にトリシティ(Trójmiasto)を形成し、ポーランド北部で最も重要かつ近代的な都市圏のひとつです。グダンスク(Gdańsk)は中世にまでさかのぼる豊かな歴史を持ち、美しい旧市街、堂々とした建築物が並びます。特にモトワヴァ川(Motława)沿いの長い河岸通りや象徴的なクレーン(Żuraw)は訪れる人を魅了します。

また、マルボルクのドイツ騎士団城(Zamek Krzyżacki w Malborku)はヨーロッパ最大のレンガ造りの城塞であり、ユネスコ世界遺産にも登録されています。ここでは騎士団の歴史や中世の物語に触れることができ、歴史再現イベントや教育的な催しも多く行われています。

自然を愛する人にとってもポモジェは理想的な場所です。県の面積の約3分の1が森林で占められ、2つの国立公園があります。スウォヴィンスキ国立公園(Słowiński Park Narodowy)は移動砂丘で有名で、その風景はまるで砂漠のようです。バードウォッチングや自然観察、写真撮影を楽しむ人々に人気です。一方、トゥホルスキ国立公園(Tucholski Park Krajobrazowy)はユネスコ生物圏保護区にも指定され、広大な森や湖、湿地が広がり、ハイキングやカヤック、サイクリングで自然を満喫できます。

地域文化の面では、カシューブ地方(Kaszuby)が特に有名です。独自の言語、工芸品、音楽、そしてカシューブいちご(truskawki kaszubskie)やガチョウ料理(gęsina)、バルト海のニシン(bałtycki śledź)など、豊かな食文化が根付いています。


また、この地域には歴史的・文化的に重要な場所も数多くあります。ペルプリン(Pelplin)では貴重なグーテンベルク聖書を見ることができ、スウプスク(Słupsk)ではスタニスワフ・イグナツィ・ヴィトカツィ(Stanisław Ignacy Witkiewicz)の作品が展示される「白い穀倉庫」(Biały Spichlerz)を含むユニークな美術館があります。
バルト海沿岸では、広い砂浜でのんびり過ごしたり、ソポト(Sopot)の有名な桟橋やグディニャ(Gdynia)の海岸遊歩道を散策するなど、リラックスできる魅力がいっぱいです。さらに、音楽や文化イベントも年間を通じて多く開催されます。
このように、ポモジェ県は自然、歴史、文化、レクリエーションが調和した地域であり、ポーランドを代表する観光地のひとつです。
この地域の首都
グダニスクはポモジェ県の県都であり、ポーランドの観光地図において重要な場所です。豊かな歴史と文化遺産、そして近代的なインフラが調和した都市として知られています。グディニャ(Gdynia)やソポト(Sopot)とともにトリシティ(Trójmiasto)を形成し、世界中から観光客を引きつけています。バルト海(Morze Bałtyckie)のグダニスク湾(Zatoka Gdańska)に面したこの町は、ポーランド最大級の港の一つであると同時に、長い間「自由」と「社会変革の勇気」の象徴でもあります。千年以上にわたる歴史は、中世やハンザ同盟時代の繁栄にまでさかのぼり、今日では美しく修復された旧市街にその姿を見ることができます。ここはまさに建築と文化の宝石のような場所です。



グダニスクは、ポーランドだけでなくヨーロッパ全体の歴史に大きな影響を与えた都市でもあります。民主化のきっかけとなった「連帯」(Solidarność)運動の発祥地であり、その歩みはヨーロッパ連帯センター(Europejskie Centrum Solidarności)や1970年の造船労働者追悼碑(Pomnik Stoczniowców 1970)に刻まれています。これらの場所には、自由と民主主義の歴史を知ろうとする人々が世界中から訪れています。グダニスクは「記憶の街」(Miasto Pamięci)であると同時に、対話とインスピレーションの場でもあります。


「第二次世界大戦博物館」(Muzeum II Wojny Światowej)は、世界的にも規模が大きく、展示内容も充実した重要な観光スポットです。ここでは、インタラクティブな展示を通して、特にポーランドやバルト海地域の視点から戦争の悲劇を深く学ぶことができます。
歴史や建築に興味のある人にとっては「王の道」(Droga Królewska)が必見です。ネプチューンの噴水(Fontanna Neptuna)やクレーン(Żuraw)、アルトゥスの館(Dwór Artusa)など、オランダ風マニエリスム様式の建物や町並みが続き、ポーランドを代表する景観をつくり出しています。このエリアは文化、商業、食事の中心であり、観光客だけでなく、市民にとっても活気ある場所です。

旧市街の外には、自然を楽しめるスポットもたくさんあります。オリヴァ公園(Park Oliwski)では自然の中でリラックスでき、名物のパイプオルガンの演奏も聴くことができます。さらに、ソビェシェフスカ島(Wyspa Sobieszewska)には「鳥の楽園」(Ptasi Raj)や「カモメ砂州」(Mewia Łacha)などの自然保護区があり、バードウォッチングやエコツーリズムを楽しむことができます。もちろん、広くて砂が白いビーチも街の魅力の一つです。設備も整っていて、家族連れや海のスポーツ、サイクリングを楽しむ人々に人気の場所となっています。
グダニスクは、歴史や文化を求める旅行者にとってだけでなく、アクティブな休暇や教育、世界的イベントの体験を楽しみたい人にとっても魅力的な都市です。そのため、ポーランドやバルト海地域において最も重要な観光地の一つとされています。
さらに、グダニスクやトリシティは「食の旅」としての魅力も高めています。地元の新鮮な魚や旬の食材を使った伝統的な料理を味わえるほか、ミシュランガイドに掲載されたレストランもあります。これらの店は、丁寧で高級な料理を提供するだけでなく、地元産の食材や地域のレシピを発信し、グダニスクの「食のアイデンティティ」をつくっています。その結果、トリシティは文化遺産と現代的なガストロノミーを結びつける場所として評価され、ヨーロッパの美食都市の一つとなっています。グダニスクには「ミシュラン・グリーンスター」を受賞したレストランがあり、そのオーナーは2025年大阪万博でポーランド館にて「Poland Taste」というレストランを運営しています。

